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2024 .11.16
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Pixivに上げた、「先生が睡魔に襲われる話」です。textでの題名は「すごく眠い」
ひたすら眠いときに書いたのでちぐはぐだなぁと反省
眠り姫の周りに生えるおっかない茨、姫にもちょっかい出すメーワクなやつです

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男は果てしなく疲れていた
本来戦士であるはずが人員が足りぬとのことでデスクワークに駆り出され、ようやく片付いたころには一体何サイクル過ぎたのか検討がつかなかった
そんな書類の山と戦った男は今は強烈な睡魔と戦っていた
ただでさえ慣れない作業だったが書類一つ一つが今後の方針に関わる重要なものだったため、手を抜くことができず記入漏れ等がないか隅々まで目を通すのにかなり長時間集中していた
男は現在自室へと戻ろうとしていたが、その歩みはひどく遅い
睡魔によっておぼつかない足を支えるために壁に寄りかかりながら移動しているのだが、少し気を抜けば壁にもたれ掛かったまま寝てしまいそうなのだ
こんな場所で無防備な姿を晒すのはこの男のプライドが許さないが、一方で睡魔に纏われたまま眠りに落ちていける幸福感はこの上なく魅力的に思えた
思考は完全に曇り男の考えが睡魔側に傾き、ぼやけた視界は暗闇に落ちていった



暗闇は男の感覚で一瞬、次に視界が戻ったとき先ほどと異なる場所に己がいることに男は驚いた
寝台とサイドテーブルに、チェストと言っていいのかはばかられるほど小さな収納箱、扉の傍に設置された通信機に薄暗く光る照明
まぎれもなくここは男自身の部屋であった
一体いつの間に部屋に着いたのか、男は暗闇に落ちる直前の景色から先の記憶を探るが、まったく記憶が無いうえに一瞬と感じたが実はかなり時間が経過していたことにも気づいた
幸いにも扉はロックがかけられ、通信にも何の記録もなかったことから男は、自分はなんとか自室に辿りつき扉にロックをかけ、運良く誰からの通信も来ることなく眠っていたのだと判断した
他者から見てもかなり不安の残る結論付けであったが、男は漸く手に入れた休息を短くしたくなかった
通信という邪魔が入り、またぶっ通しで働かされるなど堪ったものではないと、男は未だ纏わりついている睡魔に今度は完全に身を委ね、再び寝台に横になった
その際に自分の聴覚を最低限まで下げたので、これでもう耳元で主砲でも撃たない限り通信が入ろうが扉を叩かれようが眠りを妨げられることは無くなった
意識が沈む直前男はやっといつも付けていたマスクが無いことに気づいたが、考えることを放棄した頭で、部屋に着いたときにでも外したのだと答えを出し、夢も見ない深い眠りへと再度落ちていった




部屋の外で大きな影が欠伸をひとつ、しようとして慌てて噛み殺す
壁にそばだてた耳は中の男と逆に聴覚を最大限上げている
些細な音すら聞き逃さないよう
聞こえてきたのは男の駆動音、そして呼吸の音
規則正しく、あのときと同じ音
偶然男を見かけ、ずいぶん覇気が無いなと思えば突然倒れた
慌てて起こせば呆れたことに、男はぐーすか眠っているだけ
けれどいくら呼ぼうが揺すろうが叩こうが、一向に起きる気配はなかった
仕方が無いので担いで男の部屋まで連れてきた
ロックなど壊さなくとも大きな影なら容易に開けられる
殺風景だと思いながら、男を寝台に置いていき
そのあと何の気まぐれか、男が起きるまで部屋の外にずっといた
男が起きてしまわぬよう、来るものすべて払っておいた
もちろんそれは、大きな影の優しさなどではないのだが
 そうでもしなければ割りに合わぬだろう
大きな影はくくくと笑う
口元に男のマスクを添えながら、愉快愉快と去っていく
最後に大きな欠伸をひとつ
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