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2024 .11.16
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ついった予告してたマグビグです
いい雰囲気に、なったのかな?
先生がちょっと乙女思考
マグ様は恐竜3つ分だから酔わないって設定

拍手[1回]

――――――――――――――――――

どうしてこうなったのか
平熱より高くなった状態でぐるぐる思考を廻らせれば、正しい判断など出来るわけもない
そもそも現在の状況を打破するのに原因解明などという回りくどいことなどせず、拳の一発でも打ち込めばよかったのだが、熱に侵された頭はその選択肢を得ることができなかった
どこからこうなったのか、現在自分は目の前の大男に半ば押し倒されたような体勢になっている
いつもよりぐっと距離が近い
ただの飲み交わしであったはずなのに
酔えぬ体質なのだと聞かされていたのに
その目に宿る熱はなんなのか
まるで強烈な熱源に中てられているかのように熱い
けれど体の芯は悪寒か別のなにかのせいであろう、恐ろしいほど冷え切っている
この冷たさになんとか縋っているが、それすらも溶かし尽くされたら果たして自分はどうなってしまうのか
ごくりと喉が鳴る
熱に支配された己への恐怖か、それとも
思考の隙間に入り込むように、するりと腕が伸ばされた
熱くてたまらなかった自分の顔に添えられたそれは、ひんやりとしてとても心地よい
どちらも大昔に死に絶えた生き物であるというのに、何故こんなにも対照的なのだろう
熱で溶けた頭の中は本能のままに男の体温を求めだしていたのだが、中心に残る理性が崩れかけながらも最後の抵抗を示すよう叫ぶ
なし崩しであったのだと、己の欲望に負けたのではないと足掻いている
往生際が悪いなと自分に呆れるが、このまま流されるのも気に食わない
いつだって自分を追いかけてきた男に、今度は自分が求める形になるのだ
形だけでも抵抗はしておこう
未だ触れて離れない男の手に自分の手を添える
いつもなら捻り上げるための動作だったからか、添えた手が若干強張ったのが分かる
そんなことが何故だか愛しく思えて、ふわりと頬がゆるむ
「・・・お前なんか大嫌いだ」
存外普段通りの声音で言えたなと思いながら相手を見遣る
覆い被さっていた男は呆気にとられた顔をしている
普段となんら変わらない口調での普段通りの否定の言葉
なのに男の目に映る自分のなんと満足気なことか
低く唸るような―いや実際に唸ったのだろう、そうした男は慎重に選んだであろう言葉を返す
「―――俺は、お前が すきだ」
ああ、言われてしまった
きっと相手は言ってしまったと思っている。そんな顔だ
けれどほんの少し誇らしげで、何一つ偽りはないと断言しそうで
その言葉が真実か確認したくなった
―正直に言うと、意地悪したくなった
「・・・じゃあ、」
握っていた手に力をこめる
もう引っ込みつかないぞ、逃げ場はないぞという意味をこめて
「確かめさせろ」

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