LoveToInorganicLife

息を殺すための、表情を隠すための、本心を騙すための

軽い、重いそれを外したなら

お前は気づくだろうか？

外面は小奇麗に整えて、存外欲深な俺のことに

そんな期待でもって、押し倒したわけだが

手を引くことも出すこともできないまま、空いた体の隙間の虚しさにどんどん寂しくなって

情けなくぼろぼろと泣きだしてしまった

嗚呼、俺はなんて醜いのだろう

はやく押しのけて何処へでも行ってくれればいいのに

このまま抱きしめられることを望んでしまっている

触れないまま、愛してほしい

乱暴におかして、嫌悪してほしい

矛盾の願望を湛えたまま、眼前の男にその瞬間を待っている

いつまでも

いつまでも

決して自分から踏み込むことはないのに

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何かをしたら、何かを失う。
それが怖くて
人は何もしなくなっていく。
でも、それは間違いだ。　　　　海堂尊