LoveToInorganicLife

「ガルバトロン」

「ガルバトロン」

ああ、弱ったなあ

どうしても離してくれない

離さないまま眠らないでほしいのだが

ちょっとでも身じろぎすると途端に縛めが強くなる

お前は私用の拘束具かなにかなのか？

首だけしか回せないからお前の顔がちっとも見れないじゃないか

なあガルバトロン、

お前はどんな夢を見ているんだ？

今この場で、かつてユニクロンの体内で

「宿敵」だったあの頃か？

馬鹿らしい「ありえた未来」なのか？

「がるばとろん」

舌にお前の名を乗せて

こころはかつてのお前の名を叫んで

「・・・何を情けない表情をしておる」

下から聞こえた声にびっくりした

「起きたのか」

「お前があまりにも情けない声で呼ぶからだ」

くあ、と欠伸をして、それでも起きる気はないらしい

「心配するな、ここにいるぞ」

なにを

「だからワシの名を呼べ」

・・・ああ、ほんとうに弱った

どうしてお前は望む言葉をくれるんだ

「ガルバトロン」

そうやってまた、お前の名を呼ぶ

「ガルバトロン」

胸に顔をうずめた宿敵が、また穏やかに眠ってしまうまで





それは子守唄にも似た