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マスメガ様は「好き」とか「愛してる」とか小っ恥ずかしくて言えないタイプだと思います。
妥協案として S U K I を一文字ずつ送ってくる系w
「える?」
緊張感のない音が唇から漏れた。
個人用の通信機に送られてきたものは、たったの一文字。
ご丁寧に発信元が分からないように複数のサーバーを経由してきたそれは、あまりにも意味を持たないくせに、受け手に深読みさせるのは充分だった。
「・・・・・・」
彼、ギャラクシーコンボイはとにかく生真面目だ。真面目すぎて融通がきかないところがあるし、何より、周りが認めるくらい天然だ。
この謎の通信について考え込んでしまうのは当然といえば当然だった。
小さな画面の一文字とにらめっこをしている間に、またしても送り主不明の通信が入ってきた。
次に表示されたのは、O
どうやら何かしらの暗号らしい。先ほど送られた文字と並行させてみるが、今一真意は掴みかねる。
また何かしら送られてくるかもしれない。もしかしたら未だ発見できていないトランスフォーマーからの通信かもしれない。ギャラクシーコンボイはそんなことを考えながら、再び画面とにらめっこし始めた。
「コビー、少々頼みがあるんだが」
「ん?どうしたのさ」
地球のとても小さな知的生命体で、トランスフォーマーに友好的な人間のコビーはさっと工具を取り出した。
「あ、いや。そっちの話ではなくて、これの意味を教えて欲しいんだ」
修理の申し出かというコビーをやんわり制して、ギャラクシーコンボイは小さな、人間からすれば充分に大きなパネルを提示する。
「え、なに、これの意味?」
「そうなんだ、調べてみたんだが該当するデータが見つからなくて」
「んー。これはね、好きって意味だよ」
「・・・え?」
「全部繋げて書いてるから分からなかったのかな。本来はここに空白が入るんだよ」
「あ、ああ。そうなのか。それで、本当にそれは『好き』とうい言葉なのか?」
「そうだねえ・・・好きの最上級って感じかな?LIKEよりもっと上、『愛してる』っていう意味が近いかも」
「あい・・・」
「ところで、これがどうかしたの?」
「い、いや。何でもないっ。単に気になっただけだから。ありがとう、コビー」
そそくさと去っていく総司令官を見送りつつ、変なギャラクシーコンボイ、とコビーは呟いた。
そういえば、今日は変なことばかりだなとも思う。
もはや日常と化したデストロンとの戦闘。
敵の総大将であるマスターメガトロンはいつにも増して不機嫌で、真っ先にギャラクシーコンボイに突っかかって行った。
爆音やらではっきりとは聞こえなかったが、「昨日」だとか「返事」だとかを結構な声で怒鳴っていた気がする。
まさかさっきの言葉と関係ないよね、とよからぬ考えが脳裏を掠めたが、慌てて首を振りその考えを追い払った。
止めだ止め、あの二人がどんな関係だろうがセイバートロンにどんな文化が栄えていようが、それに口出しするなんてマナー違反もいいところだ。